クロロホルムの有害性(発がんリスク)
トリハロメタンの中で最も存在比率が高い物質がクロロホルムです。
クロロホルムは、かつて世界中で麻酔薬として使われていた物質です。しかし、肝障害や腎障害、不整脈といった副作用が見られたことから、今では使われていません。
国際がん研究機関であるIARC(International Agencyfor Research on Cancer)による人に対する発がん性の分類では、クロロホルムを2Bにして指定ます。
ちなみに、IARCの発がん性分類は以下の5段階です。
2Bは、5段階あるこの分類において、ちょうど真ん中の位置づけです。
全部で299物質が指定されている2Bは、「人に対する発がん性の可能性があること」を意味しています。
そして、同じくトリハロメタンに含まれるプロモジクロロメタンも2Bの指定物質となります。
クロロホルムの含まれた水道水を飲んでも大丈夫?
クロロホルムの有害性などを危険視する日本では、WHOなどと比べても厳しい水質基準を定めています。
・日本のクロロホルムにおける水質基準:0.06mg/L以下
・WHOの飲料水水質ガイドライン:0.3mg/L以下
0.1mg/L以下となる総トリハロメタンについては、USEPAやカナダ、EUとほぼ同じです。
しかし、トリハロメタンのなかでも特に存在比率の高いクロロホルムにこれだけ厳しい基準を設定しているということは、日本の水道水は海外と比べて安全性は非常に高いといえます。
水道水のクロロホルムは体内に蓄積される?
水道水の塩素処理によりクロロホルムなどのトリハロメタン類が生成する数多くの研究が飲み水のトリハロメタン量と、膀胱ガン、直腸ガン、奇形などとの関連を見つけています。
シャワー(10分)、お風呂(14分)、洗濯、食器洗いの使用が室内のクロロホルムの空気中濃度を上昇させましたが、その中でシャワーとお風呂のみが呼気中の濃度を上昇させました。
水道水の塩素消毒によって生じるクロロホルムなどの発がん性物質は、飲み水よりもお風呂、シャワーなどで体内に入る量が多いといわれています。
人体への影響は?
総トリハロメタン同様、アトピーや喘息の悪化、内臓や中枢神経への悪影響、流産へのリスク、肝障害、腎障害などを誘発させる成分を含んでいます。
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