ホルムアルデヒドとは?
ホルムアルデヒドは水素、炭素、酸素からできており、ごく普通に自然界に存在しています。
常温では無色透明の気体で、特徴的な臭いがあります。 水に溶けやすく、ホルムアルデヒドが40%前後の水溶液は「ホルマリン」と呼ばれています。ホルマリンといえば、「ホルマリン漬け」といえば誰もがわかるように、生物標本などを腐らせずに長期保存するために使われる、あのホルマリンです。
また、室内の環境が原因で、身体への健康被害や障害などを引き起こす「シックハウス症候群」がありますが、その原因にもなる物質です。
例えば、住宅で使われている建築資材や木製家具などには、基本的に合板が使われています。
合板とは、ベニヤ板を何重にも重ねてできた板のことで、何枚も重ねて接着することで、強度を上げています。この「合板に使われている接着剤」にホルムアルデヒドが含まれているのです。
このようにホルムアルデヒドは、自然界に存在していながら、シックハウス症候群などの健康被害や障害などにもつながる有害な物質です。
さらに、電子タバコの一部や、「PM2.5」の中にもホルムアルデヒドが含まれていることが確認されています。
雨にも含まれる可能性があり、水道の水質基準を超す濃度の雨が全国で降っている可能性が高いとの調査結果もあります。
過去の水道水中のホルムアルデヒド問題
ホルムアルデヒドには発がん性があるといわれており、水道水の基準では1リットル中0.08ミリグラム以下と定められています。
平成24年5月に関東地方の利根川水系を利用する一部の浄水場において、ホルムアルデヒドが水道水質基準を超過したり、数値が上昇するといった事態が起こりました。
そのため、1都4県の浄水場において、平成24年5月18日午後から取水を停止又は減量が実施され、千葉県内の5市(36万戸、87万人)では、断水又は減水が発生する事態が生じました。
この水質事故では、ホルムアルデヒドが直接流出したのでなく、塩素と反応してホルムアルデヒドを生成するヘキサメチレンテトラミン(以下、HMT)という化学物質が原因でした。
今回の事故では、HMTを含む廃液が十分に処理されずに河川に排出され、浄水場で取り入れられた後に、消毒のために注入している塩素と反応し、ホルムアルデヒドが生成されたと推定されています。
人体への影響
ホルムアルデヒドの人体への影響は、濃度(PPM)によって、影響度合いが変わってきます。
濃度が高くなっていくごとに「目粘膜への刺激」→「気管への刺激」→「呼吸障害・肺気腫」と症状が重く変わっていき、最終的には、肺炎を起こして死亡する可能性すらあります。
また、たとえ濃度が低かったとしても、長い期間、ホルムアルデヒドを吸い続けていると、結膜炎や咽頭炎、皮膚炎などの症状が出てしまうこともあります。
特に小さな赤ちゃんは、口から家具などの距離がとても近く(場合によっては舐めてしまうため)、ホルムアルデヒドの影響を大人よりも受けてしまいます。また、赤ちゃんの肌はとても敏感のため、発疹や皮膚障害、アレルギーも考えられます。
住宅に使う合板が「シックハウス症候群」を引き起こすこともあり、また、ガンを引き起こす可能性が高く、白血病との関係も疑われています。
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